フェチフェス910 Vol.2@渋谷TRUMPROOM
夜の街を抜け出した男と女が集い、交流し、酒を楽しみ、歌って踊る――昨年8月に開催されて大好評だった「フェチフェス910(ナイト)」がパワーアップして戻ってきた!
日本最大のフェチイベント「フェチフェス」とクラブイベントとが融合して誕生したのが「フェチフェス910(ナイト)」だ。Vol.2となる今回の会場は、中世ヨーロッパを思わせる装飾と調度品が非日常を演出する渋谷「TRUMPROOM(トランプルーム)」。いつものフェチフェスとは違った、開放感あふれる大人のパーティーを覗いてみよう。
4階 SHOPフロアを散策
フェチフェス910の会場はTRUMPROOMの4階と5階。そのうち4階には、SHOPがオープンしていた。
フェチフェス公式グッズを販売するフェチフェスフロンティア。
フェチフェスフロンティアのブースでは、FFG02・鉄観音サワラさんの親知らずがひっそりと出品されていた。「(親知らずを)売ってしまったら寂しいかも……」と言いながらほほ笑むサワラさん。彼女は、910の終盤でショーも披露した。
鞭やマスク、口枷など、品質の良いSMグッズをリーズナブルなお値段で提供する銀龍堂さん。そこには一人の紳士と一人の看板娘がいた。
銀龍堂のgrayさんは、看板娘の柾木仁平さんにセクハ……(以下略)柾木仁平さんが被っているのは、某デパートで購入したという本格的な防災頭巾。強度があるので、急な直下型地震に襲われても大丈夫!(笑)
キュートな緊縛グッズといえばKitanyaさん。この夜も常にお客さんが絶えず、その人気ぶりがうかがえた。特に売れ筋だったのは、「たいへんよく縛られました」バッジ(上の写真の左上)文字を囲うお花の模様が実は縄、という工夫の一品だ。
今回特に力を入れて制作したという「KITANYA」ロゴのライト。「目立つと思っていたんですが……」と語るKitanyaさんの思いとは裏腹に、普通に背景と馴染んでいた。どんな人・場所とも相性ばっちりなKitanyaさんの作品を象徴していた。
口枷屋モイラさん&美少女さんのブースでは、モイラちゃんグッズや美少女さんの「えっちなROM」を販売。
「TRUMPROOMという特殊な空間は、世界がよく作り込まれています。そのため、皆さん、非日常感を味わっているようです。普段のフェチフェスとは違ってお酒が入っているので、フェティッシュな解放感も楽しんでいますね」と知的なコメントをしたのは美少女さん。フェチフェス910の楽しさを端的に表した言葉だ。
5階 DJフロアでノリノリ!
フェチフェス910はクラブイベントの色合いも強い。
5階では、DJが音楽をかけて場を盛り上げ、お客さんはノリノリの音楽に合わせて踊っていた。中でも強烈なインパクトを放っていたのはYoung Kzさんだ。
いつまでも耳に残るメロディー、そして歌詞!「黒ギャルの肌を嗅ぎなめたい」「人妻って聞いた瞬間フル●●」……放送禁止ワードの嵐!しかし、それが小気味よい!!
「チ●コマ●コ」のかけ声に合わせてお客さんとスタッフが踊り狂っている光景は異様だった(笑)
深夜のファッションショー D/3&fetis
今回のショーケースでは、2組のブランドによるファッションショーが開催された。
1組目は、フェチフェスでお馴染みのサイバーファッションブランド・D/3さん。
蛍光色が鮮やかなサイバーファッションに身を包んだFFGの皆さん。
フェチフェス910では2回目の開催となるD/3さんのファッションショーには、何と!三代目葵マリー様もモデルとして参戦!
白い衣装をハラリと脱ぐお姿が色っぽく神々しかった。
「マリーさーんっ!!」というかけ声に振り返ると、そこには興奮気味の一鬼のこさんが立っていた(笑)
2組目は、フェチフェス初参加のレザーファッションブランド・fetisさん。
fetisさんのファッションショーを初めて見た私は、「カッコイイ……」と息を呑んでしまった。
「パンク×フェティッシュ」をテーマに、「質のいいものを面白く作りたい」というfetisさん。自分が好きなものを追求していたらこのようなデザインが誕生したという。今回のフェチフェス910参加をきっかけに、これからさらに飛躍していってほしいブランドだ。
ミニショーケース 梅田夏希&鉄観音サワラ
フェチフェス910終盤、FFN03・梅田夏希さんのミニライブとFFG02・鉄観音サワラさんのショーが開催された。
会場にいた私の友人が「この前のフェチフェスでCDを買って以来、夏希さんのファンなんです」と熱く語っていた。彼の話を聞いた僕は、「そういえば、夏希さんの歌を聴いたことなかったな……」と思い、ミニライブに参戦した。
「ただの女装ではなく、シンガーソングライターとしての梅田夏希をお見せしたいと思います!」
マイクを握った夏希さんは、聴衆の心を揺さぶるボイスで歌い始めた。
フェチフェスがあったからこそできた歌「metamorphose」、京王線の車体の気持ちを歌った「ride on」など、そのメッセージ性に富んだ歌詞もカッコイイ。お客さんは歌に聴き入り、体を揺らしながら、夏希さんの世界観に身を委ねたのだった。
続いて、鉄観音サワラさんのショーが始まった。
普段はおっとりとした雰囲気で優しく接してくれるサワラさん。しかし、この夜は激しく、セクシーに、大胆なポーズをたくさん決めていた。
椅子に跨り、仰向けになり、脚を天高く突き上げる。うっとりした表情で舞い踊り、そのままステージから降りてお客さんを誘うことも。非日常の空間で全てを解放したサワラさんに、私もお客さんも目が釘付けだった。
一番フェティッシュな空間!?フェチフェス910の舞台裏
フェチフェス910 Vol.2では、「普段のフェチフェスより、出展者さんやスタッフさんとお客さんとの距離が近くて嬉しい」という声が多かった。昨年のフェチフェス910より会場が広いこともあり、皆さんゆったりとくつろげたようだ。
普段着のお客さんが多いフェチフェス910だが、中には個性的な方も……
この夜も遊びに来たとだともやさんは、くつろぎすぎて、パジャマ姿で踊り場に座り込んでいた。そんなとださんが一言。「えっ、今日はパジャマパーティーじゃないんですか!?」(笑)
フェチフェス910 Vol.2の舞台裏である6階の楽屋はカオスだった。ファッションショーのモデルさんたちがメイクしていたり、FFGNがお着換えしていたりと、なかなか面白いシーンがたくさんあったのだが詳細はカット。一番フェティッシュなシーンだけお見せしよう。
こちらの可愛らしいめらみんさんの体を覆っているのは、下着以外全てゴム!「リキッドラテックス」と呼ばれるゴム!!
めらみんさんの肌に、FFN05・下田メギさんらがリキッドラテックスでボディペイントしたのだ。私は、めらみんさんが普通に服を着ているのだとばかり思っていた。しかし、そうではないことを知ってびっくり!ゴムの衣装をまじまじと眺めてしまった。
この後、ゴムを剥がすというフェチプレイが始まる……
リキッドラテックスの裂け目を指で引っ張るとビヨーンと伸びる。「スゴーイ!」と言いながら、ゴムを破壊する悦びにはしゃぐ女性陣。さらにゴムを引っ張っていくと、大きくなった裂け目からめらみんさんの地肌がのぞいた。
こんな感じで、楽屋はとてもにぎやかだった。
楽しかったフェチフェス910 Vol.2もあっという間に終了。非日常空間であるTRUMPROOMから出ると、外は明るかった。人通りがまばらな朝の渋谷は、休日に向けて動き出そうとしていた。再び日常が始まるのだ。私は、清らかな朝日を浴びながら、フェチフェス910の余韻を噛み締めた。
写真・文=みみずく