4/30(日)”フェチズムの祭典”フェチフェス10潜入レポ!@綿商会館
こんにちは。ねこぞうです。
4月30日、フェチフェス10が開催されました。
僕自身、今回で3度目のフェス潜入でした。
そしてなんと今回は、公式パンフレットに、 漫画『少女椿』で有名な、 丸尾末広氏のイラストが起用されました。
丸尾氏といえば、”見世物小屋”を描かせたら右に出る者はいない、漫画界の大御所。
そもそも、縁日に掛かる”見世物小屋”の佇まいに魅せられ、 サブカルの世界に足を踏み入れた僕にとり、
丸尾末広との再会は、奇妙な偶然でした。
いうなれば、これまでは一個一個の”点”に過ぎなかった ”見世物小屋”と”フェチフェス”。
その”点”と”点”を今回、思いがけず丸尾末広が、 一本の”線”として結び付けてくれたのです。
今ではめっきり目にする機会の少なくなった縁日(カーニバル)の 見世物小屋(サイドショー)。
この潮流は、残念ながら日本のみならず、世界的にも同様です。
そして、21世紀に産声を上げ、今回で10回目を数えるフェチズムの祭典 ”フェチフェス”。
この二つは、 その根っこの部分で、確かにどこかが繋がっている。
事実、フェスが開場する前から、 「今日はどんなものがみられるんだろう」という見世物心を、
これまで僕はくすぐられてきました。
それと同時に、「今日はどんな体験ができるんだろう」というワクワクも。
なぜならフェチフェスの醍醐味は、 お客さん自身が参加する、体験型のアトラクションにこそあるからです。
過去二回の潜入取材を通じ、このことは一貫して体感したので、今後もブログを通じ、アピールしていくつもりです。
フェチフェスは、世間一般的にいえば、いわゆる同人誌や同人ソフトの販売を 中心とした即売会です。
ですが、お客さんの購買意欲を掻き立てるための呼び込み(デモンストレーション)が、
どのブースも凝っていて、思わず足を止めてしまうのです。
なかでも、今回5階のフロアで注目を集めていたのが、 その名も「痴漢体験電車」というアトラクション。
主催したサークルXCREAMは、実録の痴漢映像を謳ったドキュメンタリーDVDを 販売していたのですが、
その体験型プロモーションが、かなりヤバ目でした。
なんと、お客さん自らが痴漢役となり、擬似満員電車のなかで禁断の痴漢行為を追体験できるのです。
僕自身、今回も身を挺して体験取材を試みたのですが、 ジョークと分かってはいても、
一歩間違えば病み付きになってしまいそうな背徳感を肌で感じました。
自由奔放にリビドーを追求する会場の磁場が、なぜだかとても愛おしくさえ感じられました。
売られていたDVDを実際に買うか否かは別として、今日会場を訪れ、なんの因果か、
僕のように今回初めて「痴漢」行為を(擬似)体験した堅気の人は、今日という日を今後間違いなく、
鮮明に記憶し続けることでしょう。
(それ以外にも、お客さんに大反響だった、VRマシーンによる、CG美少女との擬似H体験ブースも…)
この感覚は、例えるならば、女子プロレスを観戦しに行きながらも、 思いがけず目にした
前座の“小人プロレス”に目を奪われてしまった 心境にも通じるところがあるのかもしれません。
“見世物”とはつまり、過剰なるエクストラ(つけ足し)のことなのです。
それらは場合によっては、洗練されたアートとしての体裁すら整えてはいないのかもしれません。
しかし、いかがわしくも魅惑的で、次の瞬間には煙のように跡形もなく消え失せてしまう。
こんな芸能の系譜が、振り返れば確かに脈々と続いていたのです。
フェチフェスとは、いわばその形を変えて現代に蘇った、もうひとつの“見世物小屋”なのです。
つまり、興行師とお客とがひとときの共犯関係を結び、非日常に遊ぶ、豊かなる混沌(カオス)の遊戯場。
そんな、善悪の物差しに収まらない遊戯場が僕らの目の前から失われてしまったことと、
新たな“フェチフェス”の胎動との間には、なにか繋がりがあるように思えてならない一日でした。