ネクロコーディネーター・LOVSTAR氏が語る“ネクロフェス”の魅力
2016年5月1日に開催されるフェチフェス7.5は、「死」「リョナ」「猟奇」「ホラー」「欠損」「闇」「病」などの“非生”をテーマとする“ネクロフェス”です。ネクロコーディネーター・LOVSTAR氏にネクロフェスの魅力を熱く語ってもらいました。
――最初にネクロコーディネーターとはなんですか。
お客様と死の世界のふれあいをコーディネートする案内人です。はい、ブッキングと企画、その他雑用ですね。当日はトークショーやオークションでアシスタントをやってます。
――ネクロフェス開催のきっかけを教えてください。
そもそも私は『アシッド系下痢糞マガジンGEVO』というアングラミニコミの編集長で、死体愛好家ではありますが、フェチフェスの単なる出展者の一人です。今回ここまで企画に関与することになろうとは思ってもいませんでした。ただ、フェチフェススタッフの下田メギ君と作品制作したことがあったり、代表の佐藤サドさんと仲がいいんですね。
去年トークショーで参加したメタモルフォーゼ東京というイベントの後に、メギ君やサドさんと飲んでいたときの話です。「90年代のホラー漫画はやっぱりすごい!ホラー漫画家さんを呼ぶイベントを開催できたら面白いよね!」と盛り上がったんです。サドさんもホラーやグロテスクなものが好きなので、軽いノリで「フェチフェスにホラー漫画家さんを呼ぼう!」という話に進展しました。
とはいえ、この時点では、ホラー漫画家さんとのコネクションもなく、企画は決まったものの「どうするんだ?」状態で(笑)。
――そのコネクションをどうされたんですか?
きっかけはイラストレーターの桃桃子(ピーチモモコ)さんです。桃子さんは『アシッド系下痢糞マガジンGEVO』の読者でした。
その桃子さんの展示会(『少女の主張』(2016/2/8~2/20))がヴァニラ画廊さんで開催されたとき、「一度お会いしませんか?」とご連絡をいただきまして。レセプションが行われた初日にご挨拶に行きました。そうしたら桃子さんと一緒に展示を企画・出展されていた、ホラー漫画家の千之ナイフさんがいらっしゃったんです。そこで即、千之さんにネクロフェスの話をさせていただきました。全くの偶然です。もともとは桃子さんだけを目当てに足を運んだのですが、「千之さんとお会いできるなんて、これはチャンスだ!」と思いました。
私は千之さんの作品を愛読していたこともあり、しかも、千之さんもフェチフェスをご存知でいらっしゃっいました。「興味あります!出たい!」と。その場でOKをいただきました。「他の作家さんはどうでしょう?」聞くと、呪みちるさん、稲垣みさおさん、高塚Qさんをご紹介いただき……とんとん拍子に出演が決まったのです。喜びの雄たけびを上げましたね。「ネクロフェス、決まったぞ!」と。そのときはまだ「ネクロフェス」という名称は決まっていませんでしたが。
――ネクロフェスの見どころを教えてください。
見どころ満載のネクロフェスですが、その中から先行フライヤーでも紹介されている特別ゲストを紹介します。
まずは、フロント入ってすぐのゲスト。特殊造形を専門とするLINK FACTORYさんによる「怨念ガールズ女子会」です。ざっくりいうと「お化け屋敷」なのですが、レベルが桁違いです。生理的に拒否してしまいそうになる、非現実的な体の曲がり方など、精神がヒリヒリするようなものが見事に立体化されています。私自身「怨念ガールズ」という作品が気持ち悪くて怖くて大好きで、写真集を買いにLINK FACTORYさんのアトリエまで押しかけたことがあるくらいです(笑)。
LINK FACTORYさんは、ヴァニラ画廊さんで「怨念ガールズアパートメント」を開催したり、サディスティックサーカスで「怨念ガールズコレクション」を披露したりと、様々な形式で「怨念ガールズ」を世に送り出してきました。根強いファンが多い「怨念ガールズ」ですが、今回のコンセプトは「女子会」。はたしてどのようなおぞましい女子会が行われるのか……。その目で確かめてください!
次に村田らむさんです。村田らむさんは、「やばい」案件ばかりを体を張って取材し続けるアングラルポライターです。ホームレス、カルト宗教、廃墟……なんでそんなところに行っちゃうの!?というルポは、サブカルじゃ飽き足りない人たちの好奇心を刺激してくれます。
『禁断の現場に行ってきた!』『ホームレス大博覧会』など、様々な著書を出されている村田らむさんですが、自殺の名所・青木ヶ原樹海の記事も数多く手がけています。今回のネクロフェスでは、過去に樹海で撮りためたヤバイ写真満載の、初の自費出版『樹海の写真集』を発売します。怪しいカルト施設や遺留品、見つけてしまった××写真が、何と、モザイクなしのフルカラーで載っています。写真集の制作は現在順調に進んでいます。私もお手伝いしながら中身を見ていますが、とにかくアングラ過ぎます。絶対に買いましょう。大特価の1100円だそうです。
また、当日無料で行われる「樹海ネクロトーク」では、モザイクありの写真とともに、樹海にまつわる村田らむさんのトークショーも行われます。私もアシスタントで登壇します。ゲストには、何と、女優の範田紗々さんが登場します!ネクロフェスで最もコアな出し物になること間違いなし!覚悟してどうぞ!!
最後に、みんなお楽しみの「ホラー漫画家トークショー&ファン垂涎お宝グッズオークション」です。こちらのイベントに出演される千之ナイフさん、呪みちるさん、稲垣みさおさんは『ホラーM』から、高塚Qさんは『恐怖の快楽』からご活躍中です。いずれも、伝説のホラー雑誌を牽引してきた偉大なホラー漫画家さんたちです。
90年代に流行したホラー漫画は、人間が想像して作ったものの中で一番えぐいと私は普段から豪語しております。“ネクロ”の極限といっても過言ではないでしょう。気持ち悪さ、猟奇的でバットエンド、見た事のないような癖のある画風で、グロテスクさや怖さに特化していました。ドロドロした魅力に溢れていました。その凄まじいパワーに触れてトラウマとなった人たちは多いでしょう。歪んだ性癖に目覚めた人も少なくないはずです。
そんなホラー漫画世代が喜ぶ、ここででしか聞けない話をホラー漫画家さんたちが披露してくださいます。こちらのトークショーも入場無料!絶対に見逃せません!!
そして、トークショー後は、秘蔵のホラーグッズのオークション大会。ネクロフェスのために描き下ろした色紙などを、これまた驚きの100円スタート!誰でも気軽に参加できますね。もちろんネクロフェス限定イベントなので、このチャンスを逃すと一生後悔しますよ。コレクター必見です!!
トークショーとオークションの司会には、モデルでパフォーマーの鉄観音サワラさんが決定!サワラさんのファンもぜひご参加ください。
*あの三条友美さんも通常出展が決定しました!ヤバすぎ!
――最後に一言お願いします。
ここまで読んでいただければお分かりになるかと思いますが、こんなにも「死」と「恐怖」だらけのデカダンスをフューチャーしたイベントを東京のど真ん中で開催することは一大事件です。めったにやれません。ネクロな人たちがよくぞ集まったな、という具合です。出展者さんはそろって気合が入っております。加えて、フェチフェスでお馴染みフェチフェスガールは、今回セクシーでバイオレンスな「ネクロイド」に扮し会場を盛り上げます。フェチフェス運営チームも大興奮。「中途半端なものをやりたくない!」と鼻息荒くしてお待ちしています!
LOVSTAR(ろぶすたー)
漫画家。『アシッド系下痢糞マガジンGEVO』編集長。『本当にあった愉快な話』(芸能ズキュン)にて、4/14発売号より「エグすぎ 介護日誌」連載開始。Twitter:@lovstarzz