映画チラシの地層学②

今回は、”映画チラシ”に印字されている”映画館名”の話をしたい。 映画チラシにとって、「~映画館」という映画館名が印字されているかどうかは、大事なポイントである。 なぜなら、映画館名が入っていることによって、そのチラシは実際のその映画館に”置かれた”本物のチラシというエビデンスを得るからだ。 参考に以下の映画「ブギーマン」のチラシを見て頂きたい。

ブギーマン_Aブギーマン_A_h4ブギーマン_A_館名無_h4

左端が、チラシの表で、真中と右端が、チラシの裏面で、映画館名が印字されているバージョンとされてないバージョンである。そして、チラシの価格も当然映画館名が入っている方が高くなる。

映画館名の有り無しは、エビデンスに関わるが、チラシのデザイン自体には普通は影響ない。

なので、映画館名に拘らなければ、映画館名無しで安ければ、そっちの方がいいというチラシマニアもいるだろう。

しかし中には、映画館名が入らないと、チラシのデザインにダメージを与える場合がある。以下の「エクソシスト」がその例である。

エクソシスト_日本最後のロードショーIMG_20220303_0003

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右の「エクソシスト」のチラシは上部の白い空きスペースに、本来は左のチラシのような映画館名とそれに携わるキャッチコピーが印字されるはずだったが、入らないままで世に出回ったものである。それにしてもここまで白い大きなスペースが空いたままのデザインで出回るというのは珍しい。

ボクは最初はもちらろん、映画館名が入った「エクソシスト」の左のチラシを買ったが、あとからあえて不格好に白い空白があいている右の「エクソシスト」のチラシの方も、そのレア感から手に入れたいと思い買ってしまった。

 

次に”東京音協”、”東京労音”というエンタメ関連の運営・チケット販売等とおこなっている組織が映画館名をを入れたバージョンのチラシをご紹介する。

IMG_20220306_0001ザ・ディープ_東京音協

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “東京音協”、”東京労音”が企画する上映チラシは、映画館名を透かした銀色の板上に記す。

上記の「未知との遭遇」や「ザ・ディープ」は、黒い空や青い海に銀板の墓標のように映画館名が浮かび、なんかカッチョいいデザイン効果が出ている。

そのデザイン効果のためか、もしくは単に出回っている数が少ないからか、この”音協&労音”の映画館名が入ったチラシは、普通の映画館名版とちがって高値で売られている。

通常の映画館名版の「未知との遭遇」は今の相場で、100円~数百円で買えるが、”音協&労音”版の映画館名の「未知との遭遇」は1万円前後するのだ。

 

あとは、映画館名の価値の差でいうと、すでに閉館した映画館の館名であれば、若干価値があがり、

また、判子で後から押された映画館名よりも、最初から印刷されている映画館名の方が価値がある。

つづく

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