緊縛ショー・喜多征一『逝かせ縄LIVE』を見てきた!

2022年9月25日(日)、緊縛師・喜多征一さんによる『逝かせ縄LIVE』を見てきた。

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 過去記事に飛ぶと分かるが、緊縛モデルを務めていた人のほとんどのTwitterアカウントが今はない。皆さまざまな理由で卒業していくからであるが、レポートを書いていた当時はそうなる可能性を考慮していなかった。喜多征一先生が率いる『喜多道場』という場で受け手や縛り手として顔をあわせ、交流していたかたもおり、舞台に立つことはなくなっても身近な環境からすっぽり消えることはないだろうと思い込んでいたのだ。

 

 しかし、「モデルさんや受け手さんの入れ替わりは昔からずっとあるよ。そりゃ皆それぞれに事情を抱えているから変化はするさ。何年もいてくれる人もいるけど、それぞれ関わるペースがある。何かを強要することなんてない。お互い無理なくやっていけたらいいんだよ」と先生から聞いて、ああ、そういうものなのかもしれないな……と少し納得した。実際、本当に表現の世界からいなくなったわけではなく、自分の輝ける場所を移して活躍している人もいる。縛られる姿を見れなくなっても悲観することはない。ただ、同じ領域で何かを継続する、積み上げることの尊さを強くかんじるようになった。

 

▼次回 10月30日(日) 喜多征一『逝かせ縄LIVE』名古屋 ※東京と名古屋でのライブ開催を毎月交互に繰り返しています。よって、11月は東京、12月は名古屋の予定。

 

 そんなワケで、よりいっそう「生モノ」かつ「今ココ」感が増した『逝かせ縄LIVE』in 四ツ谷、しかと目に焼き付けようとおもい行ってきた。舞台は、誰がどんなふうに観るかによって印象や感想が変わってくる。ここでは、あくまでわたしの視点を語りたい。

 縄の受け手(モデル)は4名。初出演の新人3名と、ショー歴1回のかた。ライブ会場は、ステージとなる「畳」の空間と客席(アリーナ席)との距離が近くなっており、一般席でも予約順が早ければかなり臨場感のある位置から鑑賞することができる。やや小高い位置からの見通しもよい。カメラによる静止画の撮影席はあえて少なめに設けており、雰囲気が壊れないようカメラ音はなるべくしないよう設定をお願いしている。場内ではBGMなど一切かけず、縄やムチの音、緊縛師と演者の声がひびきわたるようになっている。

 

 以下、過去記事より抜粋

「逝かせ縄」とは、その名が指すように縄で相手を縛ってイかせてしまう。逝くまでの過程や、逝っているであろう瞬間、逝ったあとの反応はさまざま。しかも、心身のコンディションによって変化する。この舞台は、まさに「生もの」だ。縄で安全に拘束する方法を学ぶことは第一に必要な心得だが、「逝かせ縄」では受け手がきもちよくなる縄の圧しあてかたや導線、受け手に不快感を与えないやり方、正しい身体の使い方や力の入れ具合、観ているほうにも格好よく映る姿勢の取り方などを学ぶことができる。

▲一番手の「玲奈」さん。着衣は黒のランジェリー。先生の衣装は白、縄は深緑色。事前に「縄の入りが良い」と聞いていたが、確かに……。客席から、いち受け手として見ていてとても羨ましくなるほど一縄一縄の圧しにすなおに反応しているようだった。どこをどう縄を圧しあてられたり、縛られたりすることで身体がきもちよくなるか、ずーんと子宮まで届くか、すでに判っているかんじ。素質がある、といえばよいのだろうか。『喜多道場』でふだん先生が何度も伝えているポイントがあるが、玲奈さんはまるでお手本のように声をあげていく。170cmの長身に長い黒髪、妖艶なたたずまいがどんどん崩れていくさまに目を見張った。

▲二番手の「蓮花」さん。着衣は赤のランジェリー。先生の衣装は黒、縄は紫色。実は、名古屋LIVEでは50代のモデルさんが活躍しており、その姿を見て喜多道場には40~50代のモデルや受け手の応募が増えている。蓮花さんも40代だが、写真で美しい肢体をみているかぎりではまったくそれが分からなかった。言われてようやく「そうなんですか!?」と反応してしまうほど。アラフォー期待の星である。ただ、美しさの自覚がある人ほど「きれいなわたし」という仮面が剥がれるまで苦労するようにみえる。ご本人いわく「人前でありのままの自分をみせられずにいるのは、闇が深かったり壁があるからかも」。厳重な仮面をかぶっている意識はあるようすだった。でも、わたしからすればそれは底知れぬキャパシティがあるということ。心と身体が受け入れたらもっともっと狂喜と恍惚に走るのでは、とおもってしまう。

▲三番手の「鳳(おおとり)」さん。着衣は白のランジェリー。先生の衣装は黒、縄は赤みの強い混色。ゴールドに近い、淡いブルーヘアが爽やかでもあり凛々しくもあり、本当にかっこい。雰囲気というより大きな存在感がある。はじめから最後まで声をあまりあげない人というのはこれまでのモデルさんにもいたけれど、今回登場したモデルのうち誰よりも痛みや苦しみに強そう&好きそうで、お尻や背中までムチでぶたれ皮膚を赤くしながらもちょっと笑っていたこと、「表情と悲鳴(喘ぎ声)」のゲージがめちゃくちゃ比例していたことを考えると、なんだか震えてしまった。心身が縄で育っていったらどうなるんだろう……という期待値が、わたしのなかではもっとも高い人である。

▲トリの「ほのか」さん。着衣は黒のワンピース(下にランジェリー)。先生の着衣は白、縄は赤・黄・緑の混色。赤髪ロングに華奢な身体、お人形のようにかわいいお顔で、乱れているところが想像できない。また、今回のモデルさんのなかではもっとも縄の受け手や緊縛撮影を重ねているが、「あまり痛みには強くなく後手で吊るのはまだ早いかも」という話は先生から聞いていた。ゆえに、ご本人の縛りの限界値を以前より越えてきた上で、ずっとずーっときもちよさそうにしている姿が輝いてみえた。とくに、せめられるたび腹筋や子宮まわりがビクビクするのが艶(なま)めかしい。本能を一身に受け止めているかんじがした。ああいう反応は、縄を受けながら自意識でごまかせるようなものではないはずだ。喜多道場での日々の受け手や緊縛撮影、1対1で行うセラピーや今回のようなライブを通して身体が育っていくかんじは、けっしてばかにできないと改めておもった。

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 喜多征一『逝かせ縄LIVE』、東京開催のときはなるべく参加する方向でおります。緊縛ショーに興味のあるかた、気になるけどひとりで行くのは勇気がいるかも……というかた、ぜひ下記TwitterのDMにご一報くださいませ。性別問わずソロで鑑賞、知人・友人との複数鑑賞、カップル鑑賞など皆さまそれぞれの形でライブを楽しんでいますよ~!

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