第17回『全日本クンニ選手権』を観戦してきた!

 第17回『全日本クンニ選手権』(開催場所:変なBAR『Neoアジト』)を観戦してきた!
 
 この大会は、ずばりその名の通り女性器を舐めて性的な刺激を与えるオーラルセックスの一種「クンニリングス / cunnilingus)」に対する姿勢やスキルを、選手同士で競うものである。ただし、選手は全員「デンタルダム」という性感感染症予防のためのアイテムを用いて、口と性器が直接接触しない状態を保つのがルール。バトルはトーナメント方式で行われる。
 アングラやアダルト系の定期開催イベントにはなるべく通うほうが「その界隈で起こっていることの流れ」がつかめて良いとおもうのだが、いわゆるクンニ界隈でも、わたしが初観戦してから1年半ほどのあいだにすこし動きがあった。
 
 そもそもは唯一無二の舐め師ことクンニクマンさんが主宰する『クンニ道場』門下生のお披露目の場として在るのが『全日本クンニ選手権』で、出場選手のほとんどはそこで切磋琢磨して学んだ心技を専属モデルや観客にみてもらって評価と課題を得るのが常だったという。しかし、自分のクンニ技術がいかほどのものかを確かめてみたい外部からの参加者が回を追うごとに増えていった。
  
 大会には、1回で顔をみなくなる方もいれば、時々あらわれる方、優勝回数の多さからレジェンドになった方、関西や東北など遠方からでも選手エントリーする方、結果を問わず何度も挑戦している常連の方などがおり、皆さん参加頻度はそれぞれ。
  
 そんな中、クンニクマンさんからは度々「女性用風俗(=女風/じょふう)のセラピスト(=金銭を介して性的サービスを行う従事者)こそ、こういった道場で女性に対する不快のない謙虚な姿勢や気持ちのよいクンニの仕方を学んでほしいし、その集大成を大会で発揮してみてほしい気持ちはありますね」というお話を聞いていた。なぜそんな発想になるかというと、女風で最高のクンニをするセラピスト(キャスト)になかなか出会わない!決して安くはない料金を支払っているのだからクンニが気持ちよくないと残念……など、女性のリアルな声をクンニクマンさんご自身がよく耳にしていたからだそうだ。
  
 ……そうこうするうちに、SNSでは『全日本クンニ選手権』の認知度が徐々に上がっていき、大会名を聞いたことがあるという女風関係者が徐々に増えていった。これは、過去に優勝経験のある元『スイートスポット』所属のクンニおじさんことクニおじの存在や、店舗所属前に大会ベスト4入りしていた『東京M性感』リクさんによる発信の影響も大きいとおもう。
 そして第17回では、選手エントリー最大16名のところ参加予定14名。当日キャンセル2名(いずれも女風従事者、残念!)があり参加確定12名。そのうち5名が女性用風俗の従事者である男性セラピストだった。店舗としては『スイートスポット』から2名、『東京M性感』から2名、『東京秘密基地』から1名。ただし、前回の大会優勝者である常連もなみさん、クンニ道場の門下生346(さんしろう)さん、クンニ近代五種大会で優勝経験ありの常連ベロン星人さんがいらっしゃったので、正直、上位ランキング争いはその方々で決まりではないか……?とわたしはおもっていた。いくら仕事でクンニをする機会が多い女風セラピストだからといっても、本当に何が起こるか分からないのがこの大会の醍醐味だからだ。
 
 なお、『全日本クンニ選手権』には競技における判定基準があるのだが、第17回ではクンニクマンさんのツイートでしれっとバージョンアップが告げられていた。この変更にすぐ気づいたのは前回優勝者の常連もなみさんである。わたしは過去ログと比べてようやく「本当だ……!」となった。

(前回まで)全日本クンニ選手権の判定基準
① ファーストタッチは優しく違和感なかったか?
② リズム感よくスムーズな動きで舐めていたか?
③ 各モデルの好みに合わせたクンニができていたか?
④ 密着ができていたか?
⑤ 2分間の起承転結はできていたか?

 表現の言い換えや加筆・修正した部分をみると、これまで大会の最中に専属モデルさんやクンニクマンさんや審査員の方々が何度も伝えていた重要なポイントをより分かりやすくしたかんじ。出場選手への「これは守ろうね」という注意喚起の度合いが強くなったような印象だ。

(今回)全日本クンニ選手権の判定基準
①ソフトなファーストタッチだったか?
②唾液の量は適量だったか?
③気持ち良いポイントを見つけられたか?
④気持ち良い密着が出来ていたか?
⑤モデルの反応に合わせた展開だったか?

共通事項※痛いなど不快な場合は競技を中止

 ここからは、対戦カードがとても面白かったのでどんなようすだったかを残しておきたい。

Aブロック1回戦【 哉太 VS ベロン星人 】

 急遽出場が決定したという女性用風俗(=女風)『スイートスポット』のセラピスト・哉太さんは、初出場かつAブロック1回戦目のトップバッター。不慣れな環境で他人の様子を先に見るチャンスがまったくなかったのは、痛かっただろう。また、大会の審査基準を心得ており数々の苦渋も舐めてきたベロン星人さんに当たったのも、大会における「クンニの神が微笑まなかった」と言わざるを得ない。しかし、敗退後は周囲にアドバイスを求めて改善点を探っていた。配慮やスキルの足りなさを自覚しており、かなり落ち込んでいたが「これからできること」が見えているぶん一番伸び代のある人かもしれない。

AV男優しみけんプロデュース!女性用風俗『スイートスポット』ゆく年くる年イベントに参加してきた!(2021年12月のフェチフェスblog)

 一方、大会常連のベロン星人さんは、クンニ近代五種大会(椅子・立ち・まんぐり・バック・ベッドと場所や体位を変えて行う)での優勝経験ありだが、通常のクンニ選手権ではおもうように勝ち進めなかったり上位ランキングに食い込んだり「魔物が棲んでいる」と言われる現場の醍醐味をよく知っている方である。今回では唯一「ファーストタッチで舌を螺旋(らせん)状に動かしながらデンタルダムをなじませ、ポイントを探っていく」タイプだった。動きが独特なので、専属モデルさんがそれをどう感じているかはかなり分かりにくい。ただ、相手をよく観察しており よそ見をしないので、気持ちよいポイントに到達していたのではないかとおもう。ベロン星人さんの勝利!

Aブロック2回戦【 まるこ VS ましん 】

 大阪からの参戦まるこさん。大会出場後は日帰りするというアクティブさがすごい。特徴は、ファーストタッチで下から上に舐めあげるとき左右ジグザグに舌を動かしていたところ。あくまでも私見だが、性器の表面に対する舌の密着度がやや浅かったように見えた。このターンの専属モデルこざるさんは強めなのが好きと公言しており(少なくともクンニ道場の門下生や過去大会出場者なら知っている情報)、ソフトタッチは不利だったかもしれない。また、相手を観察していたかどうかが少々分かりにくかったが、この辺りが勝敗を決めた可能性がある。

 

 Twitterのbio欄を見るかぎりではハプバーの民らしい、ましんさん。他の選手と比べると、デンタルダムで覆われた性器を舌でなじませたり、気持ちのよいポイントを探すような流れがあまりなくファーストタッチから直接「この辺り」という目星を付けていたように見えた。全体的な上下の動きがないまま狙いを定めていたようだが、それが専属モデルさんにどういう印象を与えていたかは分からない……。相手のようすをしっかり見ているときと、見ていないときがあったかも?ましんさんの勝利!

 

Aブロック3回戦【 2シコリ茎 VS 346(さんしろう) 】

 プロペニスプレイヤーを自称する2シコリ茎さんの特徴も、他の選手と比べると相手の気持ちよいポイント探しをあらかじめしているかどうかが不透明で、目視か舌触りで「この辺かな?」とすぐにアタリを付けていたように見えた。ソフトタッチで丁寧な扱いをするが性器からやや舌を離しがちなため、回数がかさむと減点されていたかもしれない。「ここだ!」とおもうところを押さえてからは集中して同じスピードのまま攻めていた。

 

 クンニ道場の門下生である346(さんしろう)さんは、眼鏡をかけていたがあえて外さずにスタート。恐らく、相手の表情や下腹部の動きをしっかり見るためだろう。ゆっくりと下から上にデンタルダム越しの性器を舐めあげ、密着度を高めながら気持ちよいポイント探しをしていたようだった。唾液の量が少なくならないよう調整し、全体をなじませてからリズミカルに舌を動かす。審査員からは「外野から見ているぶんには本当に忠実にクンニ道場の教えを守っているかんじ」。346さんの勝利!

 

Aブロック4回戦
第16回の優勝者もなみさん、対戦相手(東京M性感のメロさん)辞退により不戦勝。

 
Aブロック5回戦
東京秘密基地のヒロキさん、対戦相手(東京秘密基地りおんさん)辞退により不戦勝。

Bブロック1回戦【 生卵 VS 清正 】

 かつて佐伯ポインティさんが店長を勤めていた猥談バーの元常連(ヤバみプラチナマグナム会員)の生卵さん、実は猥談フレンドなので「まさか知り合いがクンニする姿を目の前で見ることになるとは……」という心境。クンニ選手権ってこういうこともあるんだな~!とおもった矢先、残り約40秒で専属モデルの天方ゆこさんから「ちょっと痛いです!」と申し訳なさそうに進言が……。過去の大会で失格を言い渡されたのは1名のみだったが、なんと、じぶんの身内のような存在からレッドカード(一発退場)を出してしまうとは……!大会後はアドバイスを聞き、反省と反芻を重ねていたようす。個人的には懲りずにまた出場してほしい!

猥談バー、リアルお店舗に行ってきた!(2022年1月のフェチフェスblog)

 女風『スイートスポット』のセラピスト・清正さん、対戦相手が失格により不戦勝。

Bブロック2回戦【 ベロン星人 VS ましん】

 大会常連のベロン星人さん。Bブロックからは専属モデルが変わり好みのクンニも異なるわけだが、専属モデルのお尻の位置直しをせず距離遠めからスタート。とくに問題はないようす。いつもながら女性の扱いはとても丁寧でスマートにみえる。気持ちのよいポイントを見つけられたかどうか、そこにたどり着くまでの速さはいかほどか、相手の好みに合った強弱をつけあれたか、ブレずに攻め続けられたかなど、彼が負けるとしたらどれかが僅差で劣っているときでは……?とおもいながら観察したが、結果はベロン星人さんの勝利

  
 ハプバーの民・ましんさんは舌の動きが小刻みでポイントを見つけたら同じリズムを崩さないようす。ただ、終わり方が少々雑だったかもしれない。不快でないファーストタッチについては大会中に審査員からさりげなくアナウンスがあったのだが、実は2分間の鐘が鳴ったあとの「終わり方の丁寧さ」も見られていたはず。毎度のことだが、終了の合図に気が抜けて雑になってしまうひとはパッと離すし、丁寧なスタンスを崩さないひとは滑らかに舌を離してさらに相手に対する礼もする……。こういった細かい対応の違いで落とされるケースは、よくある

 

Bブロック3回戦【 346 VS 舐神リク 】

 
 クンニ道場の門下生346(さんしろう)さん。クンニ選手権の専属モデルは、道場でも「舐められモデル」として対峙することができる。つまり、今回エントリーした選手のなかでもっとも相手の好みを把握しているのが彼である。道場に通って女性の接し方やクンニのスキルを学び、モデルへの具体的な対策を練ることができるというわけだ。そのためか、やはり行動の1つ1つに迷いがなく、焦らず慎重にいつもの研究と努力の成果を発揮しているようにみえた。346さんの勝利

 

▼店舗外で撮影させていただいた「応援うちわ」

17回クンニ選手権_2  女風『東京M性感』キャスト・リクさん。別名・舐神(なめがみ)。お友だちが応援に駆けつけており、めちゃくちゃ良いうちわを持っていた。ファンがいるってすごい。欲しい。舐め方の特徴としては、ソフトタッチで小刻みな動きで吸い付き感があるようにみえる。他の選手と比べてデンタルダムを介した性器に対する舌のフィット感がやや弱そうだったが、この感じが好き!という人はいるだろう。気持ちよいポイント探しを先にする動きはあまりなく、相手の好みを感じとってから舌を上下させていたかどうかまでは不明。以前、クンニ選手権にエントリーしたときは準決勝(ベスト4)まで順当に勝ち進んだので合う人には合うのだろうとおもうが、今回は残念な結果に。

Bブロック4回戦【 タクマ VS もなみ 】

  
 女風『東京M性感』キャスト・タクマさん。場の空気づくりが異常にうまく「なんか強そう」「面白そうな人がきた」「彼は何か違いそう」と一瞬で注目の的に。女風の従事者なのでよけいにこういう見方をしてしまうのだが、他の選手と比べると体幹の良さが抜きん出ており「長時間いっぱいクンニをされたい女性」が登場しても相手の満足度が下がらないまま続行できそう。また、本当にクンニが好きそうで相手の好きなポイントをじっくりじっくり観察する姿勢が強くみえた。大会で唯一、MCの松本格子戸さんのトークで肩をふるわせながら笑ってしまい、かなり不利な状況にみえたがタクマさんの勝利!よくよくおもい返すと、笑っても性器から舌を離さず密着したままという執念があったかもしれない。

 第16回優勝者、大会常連もなみさん。いつからか2分間の競技前に自己紹介で小ネタ(フリップ芸)を準備してくれるようになったので、会場の緊張が和む。スタートすると、下から上にデンタルダム越しにゆっくりと性器をなぞりながら唾液をなじませ、相手の好きなポイント探しをしていく。いつものことながら誰よりも後頭部の揺れがなく安定しており、舌の動きが見えないくらいフィット感がある。密着度が高めで自信をもって「ここぞ!」というところを見極めながらせめている。終わり方もけっして雑でなく余韻のあるかんじ。Bブロック専属モデルのこざるさんが「今回もっとも良い意味で判定を迷った組み合わせ」とのこと。敗退後、悔しさをツイートしていてむしろ好感度が上がったなあ。

Bブロック5回線【 ヒロキ VS 清正 】

 女風『東京秘密基地』セラピスト・ヒロキさん。他の選手が頭も身体もほとんど動かずに舌をコントロールするなか、上半身がやや上下に動きすぎのように見えた。気のせいか呼吸も少々荒いような……?もしかすると、そういった動きがあることで、デンタルダム越しに性器にあたっている舌の強弱の付け方が相手にとってはいまいちになっていたかもしれない。ただし、密着度は高めなようす。相手の好きなポイントを探そう、合わせようとしすぎるあまり身体のほうが動いてしまっていたのかもしれない。

 

 女風『スイートスポット』セラピスト・清正さん。大会優勝経験のあるクンニおじさんことクニおじの弟子事前に舌の動かし方のトレーニングを受けたり、舐め方のコツを伝授してもらったのではないか?というのは分かるような所作をしていた。実際、特訓を重ねてきたという。下から上になぞりながら全体の唾液量を調整、デンタルダムを性器にしっかりフィットさせながら相手の好きなポイント探しをする。体幹がよく安定感があり、舌のみを動かしているかんじ。強弱は不明だが密着度は高かったように見えた。清正さんの勝利

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 準決勝・決勝戦からは事前告知されていなかったシークレットモデルに変更!クンニにこだわりのある方が舐められ役として登場し、選手や観客席はやや緊張ムードに……!わたしはこのケースが初めてだったので「大会の行方がさらに分からなくなるなあ!」とテンションが上がった。
 

準決勝1回戦【 ベロン星人 VS  346 】 

 
 ベロン星人さん。プライベートで培ってきたであろうオリジナリティある舐め方で、下から上に舌をゆっくりくるくるらせん状にまわしながら進む。相手の好きなポイントに当たるまでは唾液の量を調整しつつ全体を舌でなじませ、ここぞという場所を絞って一点集中するかんじ。動かし方が独特なので、346さんと違って舌のあたる面積が広くなるぶん実はかえって絞るべき的にブレがあったかもしれない……。すべては憶測だが、専属モデルの感触として「なんか違う」が発生していたとしたら、その辺りに差あったのではないだろうか。人に対する接し方がスマート。

 

 346(さんしろう)さん。相手が気持ちよく感じているかどうかを見極めるため、下腹部の動きをよく観察している姿勢がとてもわかった。これまでの大会ではあまり決勝戦まで勝ち進む印象がなかったのだが、後に参加者全体への評価で「これまでの大会ではソフトタッチすぎて何をしたいのか不明な選手が多かったが、今回は何をしようとしているのか分かる人が多かった」と言われたが、その点は346さんがもっとも安定していたのではないだろうか。「外側から見ているかぎりだが、クンニ道場の教えの基本に忠実なのが伝わってくる」と審査員からも好感触だった。346さんの勝利

 

準決勝2回【 タクマ VS 清正 】

 

 女風『東京M性感』キャスト・タクマさん。何かをするとき「当たり前に!」が口癖っぽいのだが、ちゃんと実(じつ)が伴っているようす。クンニ選手権の参加後はすぐにクンニ道場の予約と参加をしていたようだし、他のスキル講座にも顔をだす予定だとか。モチベーションが高いので、着実にレベルアップしていくんだろうな……。また、今回の出場者のなかでもっともファーストタッチを大切にしていそうな所作をする方で、相手を想ってキスをするように始めていた。

 

 女風『スイートスポット』セラピスト・清正さん。もはや本人よりも、観客席で応援している店舗関係者の緊張と期待と興奮が伝わってきてすごかったので、実はそちらに気をとられてちゃんと観察できなかった。勝ってほしい、清正ならいけるはずだ、これまであんなに特訓してきたじゃないか……!という心情吐露のふきだしがもくもく見えるような状態。そして、清正さんの勝利

決勝戦【 346 VS 清正 】

 決勝戦については四の五の言わず結果だけお伝えしたい。清正さんの勝利!ただし、準優勝の346さんにはクンニ道場にて日々精進を重ねており大会でも優秀な成績をおさめたので大会初の『功労賞』が授与された。すごい!!

 

 ここまでわたし視点であれこれ書いたが、それはあくまでも「見ていた側の印象」でしかない。決勝戦ではシークレットモデルさんだけでなく、専属モデルのこざるさん、天方ゆこさん、主催者クンニクマンさん、審査員の葵マリーさん、朱魅さん、全員で協議をした。いつもより長かったかも!? 全日本クンニ選手権ファンとしてはとてもとても面白い大会となったことだけは確か。次も楽しみだなあ~!

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