デパートメントH 2015年3月~タイガー愛子さん&一鬼のこさん&ケロッピー前田さんのサスペンション~
3月のデパートメントHでは、フェチフェスと縁の深いパフォーマーさん達がステージを大いに盛り上げた。フェチフェス05でも大活躍だったタイガー愛子さんと一鬼のこさんがパフォーマンスを披露し、ケロッピー前田さんのサスペンションではフェチフェススタッフが吊られたり踊ったりしたのだ。今回の記事では、彼らの晴れ舞台を紹介しよう。
ドラァグクイーンのマーガレット様がデパHの開会を宣言すると、会場内は熱気に包まれた。オープニングのDQ紹介の後、情念のライブ、天河はるひさんのストリップショーと続き、いよいよタイガー愛子さんのパフォーマンスが始まった。
愛子さんは、1月のフェチフェス05で金粉パフォーマンスを披露した。パフォーマンスを観たフェチフェススタッフの皆さんが、「愛子さん、すごかったよね~」と話していた。それを聞いた私は、「あのとき愛子さんを見ておけばよかった……」と後悔していたところだ。その愛子さんを、デパHのステージで観られたのは幸運だった。
愛子さんが、天井から吊り下げられた布を伝って頭上高く昇っていく。
愛子さんは、頂上のリングをくぐったり、回転したりと、アクロバティックな動きで華麗に舞った。命綱無しのパフォーマンスに私はハラハラさせられたが、愛子さんご本人は楽しそうだった。彼女に当たったライトの光が、スクリーンに影を映し出す。影絵の動きにも、息を呑むような美しさがあった。
地上に降り立った愛子さんはコスチュームを脱ぎ捨てた。ロープを身体に巻きつけながらステージ前方へ進み出て、様々な体位で筋肉の美しさを見せてくれた。彼女の地を這う動きは、野生の獣さながらに敏捷だった。そして、彼女の背中に刻まれた虎は、本当に生きているかのような迫力だった。虎の咆哮が聞こえてきそうだった。
愛子さんのパフォーマンスは、その美しさだけでなく、彼女のワクワク感が伝わってくるところにも魅力がある。愛子さんご自身がデパHのステージを楽しまれており、その笑顔が観客を元気にしてくれるのだ。心躍るひとときだった。
続いて、中野貴雄監督のキャットファイトショーの後、一鬼のこさんのサイバーロープパフォーマンスが始まった。一鬼のこさんも、フェチフェス05でパフォーマンスを披露した方だ。光る縄を使って緊縛を行う彼のパフォーマンスは『おーくぼんぼん』でも紹介され、「アートに近い」という評価を受けた。
一人目の女の子が四角い器具に縛り付けられ、そのまま昇って行った。ステージの照明が消されると、蛍光色のロープが光り輝いたのだ。女の子は、蜘蛛の糸に絡め取られた天使のように、観客の視線を一斉に集めたのだった。
マッチョな男達が筋肉をムキムキと見せつけている中、一鬼のこさんは二人目をフックに吊り下げた。女の子は終始笑顔で手を振りながら、頭上高く昇って行った。輪っかを装備した彼女は、無邪気に空中飛行を楽しむ女神さまのようだった。
三人目の女の子が緊縛された。闇の中に浮かび上がる緑のピンクのロープ、そして女の子の羞恥を伴う表情……。一鬼のこさんは、額に汗の玉を浮かべながら、女体を縄で丁寧に彩っていく。女性の美を最大限引き出すための緊縛は、SMというよりも芸術だった。私は、美の生まれる瞬間に立ち会い、その世界観に心奪われてしまった。
告知コーナーを挟んで、最後の演目は、ケロッピー前田さんとプロサスペンション集団 THE HOOKERS によるサスペンションだ。今回のサスペンションでは、チームフェチフェスのメンバーが大活躍だった。
前半戦は、妖怪チームがステージの上で大暴れ!妖怪に扮した踊り子達も「ようかい体操第一」を踊り、会場は明るく楽しい雰囲気に包まれた。フェチフェススタッフの椎名たっぺいさんは、今回はゾンビくんとしてではなく、コマさんの姿で踊ってサスペンションを盛り上げたのだ(上の画像2枚目の一番右がたっぺいさん)
後半戦は、巫女服男子と眼鏡男子の夢の共演!白塗り・巫女服の方は、フェチフェスでも撮影をしてくださった林健太さんだ。吊られる前は緊張の面持ちだった林さんも、宙に舞い上がると、笑顔で楽しそうだった。最後に巫女服を脱ぐというパフォーマンスまで見せてくれて、サービス精神旺盛な彼のお人柄がうかがえた。
3月のデパートメントHも、刺激に満ちた一夜だった。
デパートメントHのブログ:http://ameblo.jp/department-h/
写真・文=みみずく