フェチフェス06<その3>~ユニークな表現が集うアーティストたちの登竜門
ユニークな表現であるが故に必ずしも万人受けするわけではないアート作品たち。そこに込められた「フェチ」な感性はフェチフェスの中でこそ輝く。今や、フェチフェスはアーティストたちの登竜門である。今回の記事では、アーティストの皆さんを紹介したい。
アリス展
鮮烈なインパクトとともに視界に飛び込んでくるのは「アリス展」の作品たち。
これらは全て、フェチフェス05のメインビジュアルを担当した夢のアリスさんが描いたもの。一枚一枚の絵から、アリスさんの思いが滲み出ている。来場者は、階段を行ったり来たりするたびに「アリス展」を見ることになる。フェチフェス06では、アートな工夫が会場内のあちこちに施されていた。
アンダーグラウンドフェチ映像祭
フェチフェス06では、「アンダーグラウンドフェチ映像祭」も開催。氏賀Y太先生原作の実写映画を始め、田代尚也監督と黒坂圭太監督の作品も上映された。これが11月8日開催の「フェチフェスアンダーグラウンド映像祭」の伏線にもなっていたのだ。
女体芸術学部
エロティックなドールが並んでいるのは「女体芸術学部」ブース。フェチフェス初出展にもかかわらず、他の媒体さんの取材を受けるくらいの人気ぶりだった。
「ドールを持っていない人でも使えるものを販売しています」と語るのはプロデューサーのTommyさん。写真集やドール関係のグッズ類も販売していた。
安田理央&安田三号
アダルト系フリーライターとして有名な安田理央さんとその娘さんである安田三号さんは、「親子で参加するのはフェチフェス初ですね!」と意気込みを語ってくれた。
特に面白かったのは、駅弁を擬人化したというポストカード。「これを買う人いるんですかね?」と安田理央さんが笑っていると、何と!女性のお客さんが2セット購入したではありませんか!!(笑)
「一部は自分用で、もう一部は友人用です。友人は駅弁マニアなんです」とお客さんはニッコリ。駅弁マニア!?世の中にはさまざまなフェチがあるもんだなぁ、と感心させられた。
陰獸堂
リョナフロアの一画には、「陰獸堂」のお二人がいた。
FFG02・鉄観音サワラさんのフェティッシュな姿が見られるROMを販売。サワラさんファンにはたまらない!
一方、生首やモツをテーマにした写真集は、印刷所から「印刷しない」と言われるくらい刺激の強いものに仕上がったという。印刷拒否というのは何とも凄まじい……
妹のためなら死ねる
リョナフロアの中でも異彩を放っていたのは「妹のためなら死ねる」ブース。
遺影や香典袋、蝋燭、紙風船、墨で書いた文字……好きな人にはたまらないアングラ臭が漂っていた。「活動を始めてまだ間もないですが、興味のある方々に見てもらいたいです。写真集を出すことを目標にします」と語るお二人の今後の活躍に期待したい。
ヌコの下僕
可愛らしいモフモフの女の子と真っ赤な写真……そのギャップが印象的なのはヌコの下僕さん。
血のりや注射器を使った作品群は全てオリジナル。「本当にリョナが大好きで、モデルさんも大好きです」とヌコの下僕さん。「これから写真展にガンガン出ていきたいです!」と抱負を語った。(ヌコの下僕さんは、フェチフェス06出展の感想を寄稿してくれました。寄稿記事はこちら→「ヌコ3匹とその下僕、ついに憧れのフェチフェスの舞台へ」)
KATZENBULLET
「美醜は表裏一体」をコンセプトに活動するイラストレーター・TO-MAさん。今回はライブペイントで墨絵を完成させた。もともとデジタルでイラストを作成するTO-MAさんだが、「何だったらやりやすいか?」という試行錯誤の末、墨を使うことに決めたという。
「サイバー系やビザール系が好きです。引き出しはたくさんありますね」と語るTO-MAさんは、これからもさまざまな表現方法を模索していくのだろう。
他にも、名作漫画『まいっちんぐマチコ先生』の原作者・えびはら武司さん、特殊似顔絵が大好評な奇想漫画家・駕籠真太郎さん、閉鎖した秘宝館の展示物や看板をコレクションする片品村蕃登さんなど、各界の著名なアーティストさんたちが一堂に会していた。フェチフェスはアート分野も熱い!(続く)
写真・文=みみずく