フェチフェス910(ナイト)体験レポート~真夏の新宿で繰り広げられる、フェチを愛する大人のためのオールナイトイベント~
2014年8月19日の22時、新宿歌舞伎町の「クラブアクシス新宿」前には行列ができていた。「フェチフェス910(ナイト)」への入場者の列だ。
フェチフェスは、通常日曜の昼間に開催される。しかし、今回のフェチフェスは、平日の真夜中にオールナイトイベントとして開催された。私はクラブイベントに参加するのが初めてだったので、恐る恐る「フェチフェス910(ナイト)」へ足を運んだのだった。
開場後、IDチェックと持ち物検査を受けて、地下へ――FFGNの歓迎を受けてメインフロアへ。そこは既に沢山の人達で賑わっていた。
DJが音楽をかけて場を盛り上げ、それに合わせてお客さんが踊る。カウンターでは、楽しそうに語り合う男女の姿も……。出展ブースは、口枷屋モイラさんやKITANYAさんなど、お馴染みの皆さんだった。私は、お酒を片手にブースを眺めながら、フロア内をウロウロしていた。
幸いにも、フェチフェス代表・佐藤サド氏にお会いできた。「奥にもブースがあるんですよ」とサド氏に案内され、私はラウンジスペースへ。そこは、フェ血スさんや銀龍堂さんのブースがあったり、雪猫さんが愛と性のタロット占いをしていたりと興味深い場所だった。
メインフロアとラウンジスペースを行ったり来たりしていると、いよいよステージショーが始まった。最初のパフォーマンスは、「結月里奈×灯月いつか★緊縛ショー★」だ。
結月さんの緊縛は、灯月さんの美しさを引き出すために行われる愛情表現だ。赤い縄で縛られていく灯月さんは、結月さんに安心して身を委ねていて、その表情も穏やかだった。ステージは、観客に取り囲まれ、熱気が渦巻いていた。そこで行なわれる緊縛ショーは耽美的で、見る者を官能と美の世界へ引き込む魅力に溢れていた。
次のパフォーマンスは、アーティスト団体DEN-SINとFFGNのコラボで実現した「『D/3』fashion show.~CYBER WAVE~」だ。
サイバーファッションに身を包んだFFGN達が、ステージからフロアの中央へと練り歩く。暗闇の中で蛍光色が舞い踊った。近未来の住人を思わせるサーバー系の衣装は、それ自体がユニークである。その衣装をFFGNが着用すると、彼女達の妖艶さが一層際立つのだ。観客は皆、めくるめく彼女達の動きに見入っていた。
この日、仕事の関係で、私は終電で帰らなければならなかった。そのため、ファッションショーが終了したところで会場を出た。この後も、DJがフロアを盛り上げ、魅力的なステージショーも行われた。それらを楽しめなかった私は、残念な思いを胸に、トボトボと駅へ歩いたのだった……
ジャパニーズフェチの祭典・フェチフェスは、ついに夜の新宿にも進出したのだ。クラブイベントをフェチで彩るという新たな試みは大盛況を博した。フェチフェスの飛躍を予感させる刺激的な一夜だった。
写真・文=みみずく