おいでよ!水龍敬ランド the1stDay~「性の解放」をコンセプトにしたテーマパークで男と女が出会うとき、一つの愛が誕生する!!

おいでよ!水龍敬ランド the1stDay~「性の解放」をコンセプトにしたテーマパークで男と女が出会うとき、一つの愛が誕生する!!

水龍敬ランド――そこは、「性の解放」をコンセプトにした一大テーマパークである。未来の日本、地方淫行条例の無い某自治体に、ある大富豪が建設した理想郷だ。

(水龍敬ランドでは)セックスへの罪悪感や嫌悪感を払拭し、生き物として本来の姿に立ち返って、まるで食事を楽しむように、本能のまま誰もが安全で自由なセックスを楽しめる――ここはそんな夢の叶う場所である

この引用からも分かる通り、『おいでよ!水龍敬ランド』には、漫画家・水龍敬先生の世界観がギュッと凝縮されている。水龍敬先生がご自身のお名前を冠しているくらいなので、その気合の入りようが尋常ではないのだ。パラパラっと本誌を捲るだけでも、「おっ!?」と気になるページが目白押しである。

 

本誌の魅力は、具体的かつ詳細な設定であろう。園内での不本意な性交渉を避けるための「意志表示シール」、電子リーダにチャージする園内通貨「パコル」、性的な刺激を喚起する数々のアトラクションに夜のエロティカルパレード……魅惑的な仕掛けの数々に、登場人物達は非日常の性体験へ没頭していくのだ。

おいでよ!水龍敬ランド the1stDay~「性の解放」をコンセプトにしたテーマパークで男と女が出会うとき、一つの愛が誕生する!!

私が特に気に入ったのは、「観覧車」ならぬ「姦乱車」だ。体裁は普通の観覧車と同じだが、その利用法が水龍敬ランドオリジナルなのだ。1つのゴンドラには1組の男女が入り、1周30分の間、お互いに何をしてもいいという。中に入るまでは同乗者の顔も分からないが、水龍敬ランドに集う者達にとっては、そんな些細なことは気にならないらしい。パノラマのように広がる景色を眺めながら、隔離された空間の中では、男女が様々な営みに励むのだった――現実世界に存在するアトラクションを見事に取り込む発想!水龍敬先生のアイデアはいずれも刺激的で、読者を甘美な妄想世界に引きずり込んでしまうのだ。私も、現実世界の観覧車が全て「姦乱車」に見えてきそうで怖い(笑)

 

さて、本誌のもう一つの魅力は、ボーイミーツガールを主題にしたストーリーである。主人公の男の子・ユウタくんは、遊び人の悪友・カイ♂に連れられて水龍敬ランドを訪れる。送迎バス内でユウタくんは、可愛い女の子・マイちゃんと手が触れてしまう。そこからユウタくんとマイちゃんの初々しい恋物語が始まる。水龍敬ランドにいまいちなじめない2人は、姦乱車での再会を通して、自らの欲望に忠実になっていく。その夜、外ではエロティカルパレードが華々しく開催されている中、彼らはお互いの肉体を求め合うのだった。マイちゃんは、ユウタくんに忠告する。

ここでは何でも許されるけど「恋」だけはしちゃいけないって言われてるんです

「そんなことを言われた男は、逆に恋にのめり込んでいくじゃないか!」というツッコミはさておき、禁断の恋が深まっていく過程はハラハラドキドキである。

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『おいでよ!水龍敬ランド』は、軸となるストーリーが存在している点で、徒らに性的興奮を刺激するだけのマンガと一線を画している。水龍敬ランドに迷い込んだ読者は、ユウタくんとマイちゃんが愛を紡ぐ姿を追いかけながら、ほろ苦い青春の一コマを思い出したり、まだ見ぬ恋人とのサクセスストーリーに思いを馳せたりと、自らに引き付けて水龍敬ランドを楽しむことができる。水龍敬先生のストーリーテラーとしての才能は、本誌で遺憾なく発揮されているのだ。

 

『おいでよ!水龍敬ランド』の登場人物は男女ともに美しい。彼らのあられもない姿にムラムラした読者は、詳細な設定や魅力的なストーリーで更に水龍敬ランドの深みへとハマっていく。自らの妄想も相まって我慢できなくなったら、今度は自分好みの「水龍敬ランド」を作ってみると良いだろう。

水龍敬ランドはシェアワールドです。……「水龍敬ランド」の名称やアトラクション等アイディアの漫画・イラスト・小説・音楽・イベント等、様々なコンテンツへの二次利用・創作を推奨しています。……みなさんの考える「水龍敬ランド」を創作してくれることを切に願っています。

水龍敬先生があとがきにも書かれている通り、「水龍敬ランド」は人類の共有財産である。その魅力を深め広めていくことは、読者である私達の使命ではないだろうか?今回、我々フェチフェスも「水龍敬ランド」とコラボさせていただくこととなった。フェチフェスが考える「水龍敬ランド」を世界に発信していければ、と思う。

水龍敬ランドxフェチフェス 水龍敬ランドxフェチフェス

※本記事のイラストは、水龍敬先生から許諾をいただいて掲載しています。なお、掲載にあたって、一部モザイクを施してあります。

文=みみずく

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