『僕の縄で君を酔わせたい #ボクなわ』第2回を見た!

 男性が男性を縄で縛るボーイズラブ(BL)緊縛劇『僕の縄で君を酔わせたい』第2回目を見てきたよ~!開催場所は墨田区錦糸町にある関東最大級のSMバー『Mirage(ミラージュ)』。日曜の昼13~18時に行われたので、SMの世界に触れてみたいけれど夜はなかなか外出しにくい……!という人も足をのばしやすかったのではないかと思う。会場は第1回目と同様、満員だったよ!

 

1組目「エリート社員 ✕ 同期の男性写真
ゆきすくりーむ♂さん(おとなわ講習会初級講師 @yuki23LOUIS
とーまさん(横浜のハプニングバー『ZONE』店主 @toooma_zone

◆カメラマン:日蝕さん(@TheGoddessBound

 

(観客席のわたしが感じたSTORY)……会社の同期社員と久しぶりに2人揃って東京出張に赴くことになった。エリートの彼は他人に無関心そうで、どんなことに興味があるのかも分からない。でも、入社してからずっと気になる存在だった。今日こそはもっと近づきたい……!そのことを思い切ってLINEすると、彼は苦笑しながらも僕をある秘密の場所に招いた。SMバー『Mirage』、そこで僕らの関係は大きく変化した――。

 僕は彼の促すまま膝をつく。スーツを脱がされ、白いシャツは乱暴に引き裂かれた。手際よく縛り上げられていく自分はまるで見世物のようだ。彼の知らない一面に驚きつつも、欲望のすべてを受け入れたくてしょうがなくなる。人の目にさらされる恥ずかしさはとうに消え失せ、僕には彼しか見えなくなっていた。縄の圧迫感が伝わるたび思い知らされる。彼はこんなふうに人を愛でるのだ、と。

 

【感想】

 エリート社員役のゆきすくりーむさんはファンサービスが厚く、同僚のとーまさんが着用するジャケット、ベスト、ネクタイを脱がせては客席に投げ込み、ワイシャツは思い切りボタンを弾けさせて一気に肌を露出させる演出が会場をわかせた。ステージの前付近に席を陣取っていたので自分のほうに飛んでこないかな~!と待ち構えつつドキドキした……(飛んで来ず)。

 「ボクなわ」では告知の段階ですべての登場人物が明かされているものの、縛り手と受け手がどのような組み合わせになるかは不明である。また、どんな意図があってそのペアになったのかも分からない。しかし今回は、物語における相手との関係性によって「受け手の耐性やM具合」がマッチするようセッティングされていたのではないか?と勘ぐってしまうほどにちょうどよかった。エリート社員役のゆきすくりーむさんの素顔を知らずについてきた同僚役のとーまさんは、不慣れだが相手を信用して身を任せている感じがした。

 

2組目「チャラ男 ✕ ナンパ師」
香椎ナオさん(Fetishバー『耽溺』副店長 @crap__life
あめさん(SMマッチングサイト『Luna』バンド部 @aoaigunjyo

◆カメラマン:日蝕さん(@TheGoddessBound

 

(観客席のわたしが感じたSTORY)……部屋でまどろみながら相手を待っているチャラ男と、何かひと仕事を終えたあとなのか疲れている様子のナンパ師。「ねえこっちにおいでよ」と視線やしぐさで誘いながらもジャケットを脱がせようとするチャラ男だが、ナンパ師はその両手を払いのけ「そういう気分じゃないんだ」とでも言いたげな素振りだ。チャラ男は不服そうに口をとがらせながらも、かまって欲しい気持ちを隠さない。不機嫌なナンパ師の意思は頑なそうに見えたが、そんな姿勢を徐々に崩すことに慣れているのか、あれよあれよとリラックスムードに持ち込むチャラ男。ほどなくして「わかった、わかった」とナンパ師は頷いた。

 チャラ男の言いなりになるのかと思いきや、精神的に覆いかぶさるのはナンパ師のほうだった。そしてナンパ師の気分が乗ってくると、チャラ男は瞬く間に素肌の上から縄を巻き付けられていく。ほんの少し縄が皮膚に擦れるだけでも感じてしまうチャラ男の上半身は縄を這うたびに緊張と弛緩をくり返している。火の灯った蝋燭を口で加えさせられ、肌に落ちる蝋(ろう)を受け、その姿を鞭で打たれてもチャラ男の欲求は止まらない――。

 

【感想】
 香椎ナオさんによるチャラ男の憑依具合とぐいぐい誘うモーションがえっちで強欲すぎて、物語上どちらが責め手になるのか冒頭ではよく分からなかったのだが、道具を持っているのは多分リュックを担いでいたナンパ師のあめさんだよな~?と予想がついたところであっさりと立場が攻守交替していた。というより、香椎ナオさんはねだるように挑発していただけでまったく攻める気はなかったようす……。

 あめさんは縄だけでなく蝋燭と鞭も駆使するので、必然とそれらへの耐久性や嗜好性も相手の演者(受け手)に求められると思う。3種類の攻め方(SM道具)に対するパラメーターがどれくらいあるのか、舞台を通して見えてくる感じ。責め手はあめさんだが、観客である私も一緒になってひどいことをしているような気分になった。けれど、香椎ナオさんほど「受け」が大好きそうな演者はいなかったので、あれはご褒美だったに違いない。

 

3組目「若旦那 ✕ 手代」

楠ゆうさん(一縄会の講師・緊縛師 @empty_notion
ミオさん(SM&Fetishバー『TittyTwister』スタッフ @mio_bdsm_

◆カメラマン:日蝕さん(@TheGoddessBound

 

(観客席のわたしが感じたSTORY)……若旦那が「おい」と呼べばすぐに現れる若い手代(使用人)。立場上、指示があればそれを受ける間柄ではあるが、この二人の関係性は他とは少しわけが違った。黙り込む若旦那の傍で、手代はしおらしく帯を外し、着物を脱いでゆく。おどおどしたまま座布団に座ると若旦那の指や吐息が絡みつき、縄による激しい愛撫が始まる。

 若い手代は、これから長い年月をかけてその身体を育てられてゆくのかもしれない。そんな予感がした矢先、好き放題に愛されて乱れた襦袢を整えながら、手代は鋭い視線で若旦那の背中を見つめていた。そして、自らも縄を手に持ち、背後から愛憎入り混じった縛りで若旦那を屈服させてゆくのであった――。『ボクなわ』唯一のリバ(タチとウケの両方が可能な人を指すリバーシブルの略)展開。

 

【感想】
 若旦那の楠ゆうさんは、確か前回は「顧問をする部活の生徒が私物の縄を見つけてしまい、見ちゃったね★という笑みを浮かべながら縛っていく先生」の役で、もう縛り切ったかなという頃に衣装の股間からさらに縄をだして自分と生徒をくくりつけ、吊られている生徒に抱き着くように飛び乗って一緒にぐるぐるまわるという芸当をやってのけた。

 今回は、うつ伏せのような形(伏せ吊りかな?)で吊られているミオさんの背中にえいっと飛び乗って正座した。すぐに降りてはいたが、人間ぶらんこのようにも見えた。こういう感じのことをするのは「ボクなわ」では楠ゆうさんだけだったので、「縄を介して受け手と一体化しないと気が済まない人」のイメージが付いてしまった。

 一方、手代のミオさんは「一方的にやられるだけの配役を許さない人なのでは?」というイメージがあり、これで終わるはずないよなァと思っていたところでスッと長身をしならせ「やってくれましたね、次は僕の番ですよ……(ユラァ」という雰囲気で一気に反撃を開始したので、わたしは大満足だった。ミオさんのおかげで「若旦那」のふくらはぎが見れたのだが、いい感じの剛毛で肌が色黒なのもえっちだった。ありがとう、ありがとう。

 

4組目「剣道部の先輩 ✕ 後輩」

ピエールさん(社会人類学者・しばけん(縛研究) 主催 @Anthroporgiste
はやとさん(はや縄会しばけん(縛研)アオハル縄会 主催 @smsm_hyt

◆カメラマン:日蝕さん(@TheGoddessBound

 

(観客席のわたしが感じたSTORY)……「稽古をつけてください!」と懇願する後輩に「うーん、いいけど……。僕の特訓は厳しいよ?ついてこれる?」と前置きをして素振りから教え始めるピエール先輩。後輩はやとが竹刀を振るときの動作を逐一チェックしては「何かが違う、そうじゃない」と首をひねるピエール先輩。どうも後輩はやとは全身のバランスが悪そうだ……。そう思ったピエール先輩は「これしかない!」というふうに風呂敷から突然、私物の縄をとりだした。後輩はやとはそれを驚くでもなく自然と受け入れる。そして、ピエール先輩の命ずるがままに床と平行になるよう両腕を上げ、竹刀の左右両端を持ってその姿勢を保ち始めた。腕が少しでも上下すればすぐさま注意されてしまう。後輩はやとは、少々つらい恰好ではあるがじっとそれを耐えた。そして、まるで背筋を整えるかのように上半身を縄で縛りあげていくピエール先輩。しかし本当の地獄の特訓は、ここから始まるのだった……。

 日々の特訓で体幹を鍛えている後輩だからこそできる「宙吊り打ち込み」は先輩から1本取れるまでやめることを許されない。やがて後輩は先輩の指導のもと、「面」で華麗な1本を勝ち取るようにまで成長した――。

 

【感想】
 私がそう感じただけなのだが、ピエールさんの縛りには1つの道筋から「トリ」と「大トリ」に繋がる流れがあって、完成形から逆算して型をどんどん進化させながら物語を展開していくのが見ていて楽しかった。なぜその縛りを取り入れたかまで細かく考えて演出したんじゃないかな、と思う。「後輩を鍛えなければならない」という義務に、「君ならやれるさ!」という激励が加わり、「ああっ!こんなに耐えて偉かったね、もっといけるかな?すごいね!」という感動が生まれるとことまでを超高速で演じている。

 はやとさんは「先輩、今何してるんですか?次はどうしますか?」とにこやかに眺めているのだが、わざと余裕ぶって先輩が喝を入れるのを待っているふうなのが良い。ひどい仕打ちをされることが好きそうには見えないのだが、「たとえ槍が降ってきても受け流せるカンと強さが備わっているので平気です」って感じ。より一層激しい特訓を与えたくなる天性の愛玩具系王子だと思う。

 

以上が、ボーイズラブ(BL)緊縛劇『僕の縄で君を酔わせたい』第2回目の感想ですっ!当日はメンバー各位が準備した「プレイ体験」の時間もあり、下記のメニューを有料で楽しむこともできたよ……!いやはや楽しかった!興奮した!! きっと第3回目も開催してくださることを心より願っておりますよ~!

プレイ体験メニューの紹介

「緊縛、鞭、腹パン、スパンキング、股縄、くすぐり、タイキック、殴られ屋、お姫様抱っこ、踏みつけ、首絞め(手・剣道の手拭い・縄)、ハンモックマミー緊縛、お尻ペンペン(手・竹刀)、手に剣道の防具をつけて面小手胴突き体験、パーツ撮影」

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