フェチフェス公式カメラマン・Summy Kazの「部屋とフェチフェスと私」
フェチフェス公式カメラマンのSummy Kaz(サミー・カズ)と申します。
会場にいらして下さった経験がある方は、大きなカメラをぶら提げて猫背で会場を巡回(徘徊?)していたり、ショーステージの片隅で撮影している「面白い顔をしたオッサン」を見掛けた事があるかも知れませんがそれが私です。
写真はイベントの記録・フライヤー等に使ったり、雑誌やWEB等で広報活動に使われています。
今回はフェチフェスと関わる様になった経緯、そして今まで感じた事諸々を拙い文章ですが書いてみたいと思います。ちょっと長くなりますがお付き合い下さい。
四年前、佐藤サドさんとの出会いがきっかけに
2011年11月末「ツイッター・アダルト業界人忘年会」なる怪しげな集まりが新宿某所で開かれたのですが、ちょっとだけ業界に絡んでいる私も参加。
参加者は30人位居たでしょうか。AV監督・女優・男優・メーカー広報・営業・パッケージ製作・アダルトショップ・カメラマン等々、バラエティーに富んだメンバーでした。
そこで知り合ったのが佐藤サドさん。そうです、フェチフェスの主催者です。
ただし一回目のフェチフェスが2013年1月開催ですから、当時は始まっていない頃。
ちょっと立ち話をすると同じ神奈川在住と言う事もあり名刺を交換。ただそれ以降はツイッターで時々やりとりする程度の付き合いでした。
時は経ち2014年3月、サドさんが映画を撮っている事をツイッターで知った私にDM(ダイレクトメール)が届きます。
「映画の件ですが、スチール撮影で手伝ってくれませんか?」と言う内容。
声を掛けて下さる事自体が嬉しかったし、映画にも興味があったので引き受けました。
それが氏賀Y太さん原作、佐藤サドさん監督作品「まいちゃんの日常」です。
映画の事にまで話を広げると際限無くなるのでここでは控えますが、当日の私の動きや写真の仕上がりを見てサドさんからカメラマンとしての信頼をこの時に得たと思われます。
ここで話は少し脱線しますね。
私は「巨乳アイドルデータベース」と言う巨乳グラビアアイドルのHPを管理していますが(オーナーは別に居ます)やはりツイッターからのやりとりがきっかけで「尻職人」ことタレントの倉持由香さんのコラムを載せていました。
その流れで「サブカルやグロテスクな物が好きな倉持さんをレポーターとして使って、オタク系イベントの取材とかやったら面白そう」と思う様になります。それが2013年5月の話。
倉持さんを連れて行こうと考えていたのは2013年6月の「フェチフェス02」。
フェチフェスは一回目の様子をどこかで知り、ちょっと興味があったのです。当然その時はイベントの主催者があのサドさんだとは露知らずに。
倉持さん本人は乗り気で「行きたいです!」と返事を下さったのですが、当時「日テレジェニック」候補生だったので土日は関連イベントや撮影会で忙しく、フェチフェス当日も仕事が。残念ながら取材は実現しませんでした。
彼女には2014年1月「フェチフェス03」の時も声を掛けたものの、やはり撮影会が入っていて断念。
「フェチフェス、ずっと気になっていたんですが、撮影会が…」とまで言ってくれたのですが、その後「尻職人」「グラドル自画撮り部」が話題になり、気軽に誘えなくなる程の売れっ子になってしまいました。
「Kazさん撮影してくれませんか?」
「まいちゃんの日常」撮影後、再びサドさんからDMが。
「フェチフェスで、僕のブース(フェ血ス)の店番をやりながら合間に記録撮影もしてくれませんか?」と言うお誘い。実は「まいちゃん」撮影時に、サドさんが「あのフェチフェスの主催者である」事を知ったのです。
まさか倉持由香さんと行けなかったフェチフェスに主催者側から声が掛かるとは…と驚きましたね。
それが2014年4月「フェチフェス3.5」。この日が私のフェチフェスデビューになりました。
そうです、最初は店番もやってたんですよ。実は今でもどこかの店番やりたいんです。あれは楽しい!
イベント当日はワクワクとドキドキが同居している感じ。
会場内に知り合いはサドさんと、映画撮影で知り合った小司あんさん(AV女優)・赤根京さん(FFG※)・浪漫そあこさん(当時FFG)・仁平さん(FFN)・ヒロさん(AV男優)が居たので孤独感が無かったのは助かりました。そして撮影中には初対面である梅田夏希さん(FFN)も気さくに話し掛けてくれました。
イベントが終ってサドさんから「もっと早くKazさんに撮影頼めば良かった」と言ってくれたのは嬉しかったですね。
そこからです、私がフェチフェスに関わる様になったのは。
※(FFG=フェチフェスガール。FFN=フェチフェスエヌ。エヌは性別を超えた方達)
公式カメラマンとしてお手伝いを始めて一年半。運営スタッフにも顔を覚えて貰える様になりました。
当初「公式なんですが撮影させて下さい」と言ったら「はい、一分千円です」と返事された事もあった出展ブース巡回も、最近では行くと「撮って下さーい」と言って貰える様にもなりました。
当日は多数のスタッフが記録撮影をしているんですが、実は職業カメラマンは私一人だけ。
そうなると責任感は湧いて来ます。始めた頃と同じ様に「Kazさんに頼んで良かった」と思われる写真を撮らなければと身が引き締まります。
固定観念とマイノリティー
フェチフェスに関わる様になって得た物は沢山あります。
まずは「下らない固定観念は捨てろ」。百人が居れば、百通りの性癖やフェチがあります。
以前は「うえー!」と思っていた世間で言うアブノーマルな事も「自分は好みじゃないけれど、それが好きな人が居るのも良いじゃないか」と柔軟な考えをする様になりました。
傍から見れば下らないと思われる様な事に、それこそ人生を掛けている人が居る事も知りました。いや、今までも自分なりに知っているつもりでしたけど、まだまだ視野は狭かったと反省しています。
そしてマイノリティーの人は、別のマイノリティーの人に優しいと言うのも気付きましたね。誤解して欲しくは無いんですが、お互い傷を舐めあっているんじゃありませんよ。自然に優しくなれるんです。
また現在ではフェチフェスがきっかけで「むちフェス」「メタモルフォーゼトウキョウ」と言ったフェチ系イベントに関わる様になったのも大きな出来事です。
でも一番の収穫・宝物は「人」。
正直言って自分がボランティアでフェチフェスに関わっているのは「何か仕事に繋がるかも」と言う下心・スケベ心もありました。そしてその気持ちは今でも持っています。下衆い大人です、アタシは。
ただ最近は、お金に繋がらなくても楽しい事や出会いがあるならそれで良いじゃないかと思うんです。
だってこんなに色々な人、魅力的な人、才能がある人、良い意味で変な人達と出会える機会はそうそうありませんよ。変な人の私が言うんだから間違い無い。
はっきり言いましょう。私フェチフェスと出会って人生変わりました!人生狂わされました!
ですのであの日新宿で出会い、そして声を掛けて来た佐藤サドさんにはいつか責任を取って欲しいと思ってます。
半ば偶然から始まったフェチフェスとの関わりでしたが、今後どう展開して行くのかとても楽しみでたまりません。
そして皆様も是非会場に足を運んで頂ければ幸いです。運営スタッフ並びに「面白い顔をしたオッサン」もお待ちしておりますよ!
(文と写真・Summy Kaz)